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2010年09月03日

独り身の男には、酒と映画しかないではないか。

Manhattan
Manhattan / krzakptak

独り身の男には、酒と映画しかないではないか。
introducing 「復讐するは我にあり」

ちょっとキザな言い方だけれど、
僕にとっていい映画とは、いい女と2時間過ごすようなものだ。
そこに美味しい酒があれば、なおいい。


僕が何か文章を書くとき、やたら自分の好きなものを羅列する癖がある。そのやり口は、このブログでも変えるつもりはない。

はじめまして、マンハッタン坂本です。

僕は文章の書き方の多くをカート・ヴォネガットから学んだ。もっとも尊敬するアメリカの作家からパクったと言ってもいい。

カートは僕の父親より2歳年上で、2007年に他界した。
彼が生前、最後に発表したエッセイ集は「国のない男」である。その本の帯に、爆笑問題の太田光の言葉として、こう印刷されている――「この本の全ての言葉を自分の頭にインプットしたいと思った。」
まったく同感である!
 
「『カートはいま天国にいるよ』 これがわたしの大好きなジョークだ。」

そうエッセイ集に書いている。

このブログで紹介する映画が、天国にいるカートに気に入ってもらえると嬉しい。もちろんジョークだ。
  (注釈1)


2008年、僕がもっとも尊敬する日本の映画俳優である緒形拳が亡くなった。
1965年にNHKで放映された「太閤記」からのファンだった僕にとって、彼の最高傑作は「復讐するは我にあり」である。


「私は本を買うたつもりだが、ひょっとすると何か違う物に化けとるかもしれん」 

連続殺人鬼として指名手配された榎津巌(緒形拳)は、大学教授と偽って泊まった浜松の連れ込み旅館の女将ハル(小川真由美)にパイナップルのお土産を持ってくる。当然のなりゆきで大人の関係となる。彼女には優しくにこやかな顔を絶やさない。
 
この旅館にたどり着く前は、専売公社の集金人とトラックの運転手、旅館を一旦出てからは、詐欺を重ねた挙句、弁護士を平然と殺した。

ハルと入った映画館で、ジョン・F・ケネディの葬儀を伝えるニュース・フィルムを見る。そのあと、ついに正体がバレる。旅館に戻った巌は、先生の子供が欲しいと言う彼女と激しく抱き合う。だが翌日、手にかける。
 
接吻しながらいとおしくハルの首を締めていく、切なかった。 

それから巌は、出てってくれと迫る前科者のハルの母親を殺し、逃走する。
刑務所の中で、キリシタンである父親(三國連太郎)から破門を告げられたあと、巌はこうはき捨てる――「俺の骨は、そこらのゴミためで捨てちくれ」




「復讐するは我にあり」は、新約聖書(ローマ人への手紙)の中の言葉である。
ナザレのイエスは、ローマ帝国への反逆者として十字架刑に処せられた。その行為は、多くの人からこう信じられている。全人類のために贖罪を果たしてくれた、と。

自ら絞首刑を望んだ榎津巌はただの殺人鬼ではない。彼が犯した大罪は、多くの人を絞首刑台へと道連れにしたことだ。それがこの映画の教訓である。
  (注釈2)


「イエスがあの『山上の説教』を行っていなかったら、あの慈悲と哀れみのメッセージを残していなかったら、わたしは人間なんかでいたくない。」

そうカート・ヴォネガットは書いている。


表題に、もうひとつだけ付け加えたいことがあった。

独り身の男には、音楽があればこと足りる。

これもカートから学んだことのひとつだ。



「山上の説教」(新約聖書「マタイによる福音書第5章〜第7章」)とは

      心穏やかな人は幸せだ、なぜなら、大地を受け継ぐだろうから。
      慈悲深い人は幸いだ、なぜなら、慈悲をうけるだろうから。
      平和を作る人は幸いだ、なぜなら
      神の子と呼ばれるだろうから。
        
                                   などなど。


「復讐するは我にあり」が公開された1979年、今でも通っている焼鳥屋で、初めて焼酎が美味いと思った。

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居酒屋「やきふく」
(福岡市中央区薬院3丁目8−14)
西鉄バス 新川町バス停そば
TEL 092(531)7389
※豚バラと豚足は絶品です。



注釈1、書籍「国のない男」(カート・ヴォネガット)NHK出版

国のない男

国のない男

  • 作者: カート ヴォネガット
  • 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
  • 発売日: 2007/07/25
  • メディア: ハードカバー



 
注釈2、「復讐するは我にあり」(監督、今村昌平)
       日本映画 1979年製作
       日本アカデミー賞作品賞、監督賞、脚本賞、撮影賞、照明賞
       助演女優賞(小川真由美)受賞

復讐するは我にあり [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
  • メディア: DVD





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posted by マンハッタン坂本 at 20:47 | Comment(0) | 映画全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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