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2013年08月05日

戦争体験は、語るより語らない方がつらい。



戦争(第二次世界大戦)名画特集 PARTT

戦争体験は、語るより語らない方がつらい。
introducing 「月光の夏」「男たちの大和/YAMATO」

大学4年間を東京都調布市で過ごした。
その当時から現在に至るまで調布に住む有名人と言えば、漫画家の水木しげるである。偶然にも彼は僕と同じ誕生日で91歳、僕は58歳である。
大きな違いは、彼が太平洋戦争の激戦地での生き残りで、僕が生き残りの子供だということだ。

毎度、僕のブログで登場する尊敬すべきアメリカの作家カート・ヴォネガットは、連合軍のドレスデン無差別爆撃でドイツ軍の捕虜として生き残った。それは「スローターハウス5」に記されている。
  (注釈1)

彼と同じ1922年生まれの水木しげるは、ニューブリテン島ラバウルにおける連合軍相手の玉砕命令にもかかわらず、左腕を失っただけで一人生き残った。臨時歩兵第229連隊第二中隊に所属していたお陰でゲリラ戦に転じたからだ。それは「水木しげるのラバウル戦記」に記されている。
  (注釈2) 

ハイホー、マンハッタン坂本です。

1945年夏、鳥栖の国民学校に目達原基地から二人の特攻隊員がやって来る。ドイツ製のグランド・ピアノがあるのはここだけ、弾かせて欲しい、と。
音楽学校出の22歳の海野少尉は、ベートーベンのピアノ・ソナタ「月光」を弾く。風間少尉は、教師と生徒たちが合唱する「海ゆかば」の伴奏をする。その姿を大粒の涙を流して見ていた公子先生(若村麻由美)は、別れ際にゆりの花束を二人に渡す。

そんな廃棄処分になりかけたピアノの思い出を、公子(渡辺美佐子)が鳥栖小の生徒たちに話したのがきっかけで町の話題となる。
ピアノ修繕費の募金が集まり、二人の特攻隊員の消息探しが始まる。知覧基地近くの特攻平和会館で海野少尉の戦死を確認する。だが生存し阿蘇で暮らす風間(仲代達矢)は記憶がないと言う。

にわかに作り話ではないかと噂が流れ、マスコミの騒動に対し公子は風間に詫び状を書く。
それを読んだ風間が重い口を開く。エンジン不調で基地に引き返したあと、陸軍から敵前逃亡の烙印を押され福岡の振武寮に隔離されたのだ。その体験を忘れたくて話さなかったと言う。

「私は生き残っております」
「よう生きとって下さいました」 

小学校の講堂で行われるピアノのお披露目の日、風間は妻であり海野少尉の妹を連れ、公子と再会する。
そして沖縄上空で別れた戦友を偲びながら、念願の「月光」を弾く。

振武寮は、現在の九電記念体育館の近くに実在した。
  (注釈3)



1945年4月。日本軍が誇る世界最大の戦艦・大和は、北緯30度43分、東経128度4分で撃沈された。
それから60年が経ち、枕崎から200キロ、漁船で15時間の東シナ海に連れて行ってほしいと言う女(鈴木京香)が現れる。
船長の神尾(仲代達矢)は、彼女が内田一曹(中村獅童)の娘だと知り、船を出す。15歳で海軍特別年少兵として大和に乗艦していたからだ。

神尾(松山ケンイチ)は、上官の内田や森脇二曹(反町隆史)から可愛がられ、同期の西と共にそれぞれ機銃座、高角砲班として猛訓練を受け、レイテ沖海戦を体験する。そして戦闘機の援護がまったくない、海上特攻とも言える沖縄作戦に参加する。
その間、兄が戦死し、同級生の妙子(蒼井優)の目の前で母親が銃弾に倒れる。

「死二方、用意」の覚悟で米軍艦載機の大群に立ち向かうが、大和は大きく傾く。総員退去命令が出されるが、森脇と西は海中深く沈み、内田は行方不明となる。

「あんたひとり、ぬけぬけとよう帰って来たのォ」 

西の母親になじられ、許してくださいと神尾はひたすら土下座する。
そして彼を慕っていた妙子まで広島の原爆投下で命を落とす。

妙子が死に際に名づけた明日香号が、戦艦大和の沈んだ海域で泊まる。
内田一曹の形見である短刀を娘に渡した神尾は、海に散った多くの戦友を想い、涙にくれる。
  (注釈4)



「ゲゲゲの鬼太郎」の生みの親である水木しげるの貧乏漫画家時代から現在に至るまで、彼を支え続けた「ゲゲゲの女房」の苦労話がTVドラマ化され、大ブームとなった。

水木しげる自身、多くの戦記漫画を描いており、中でも「総員玉砕せよ!」がベストだと言う。
彼の漫画に出てくる妖怪たちはどことなくコミカルである。ニューブリテン島の原住民との温かいふれあいが影響しているのかもしれない。



酒呑(しゅてん)童子は、もっとも酒の好きな妖怪として知られている。特に越後国の妖怪は絶世の美少年で、言い寄って死んだ女たちの恋文を焼いたときに、その女の怨念で鬼になったという。映画で源頼光に退治された酒天童子を長谷川一夫が演じた。
 
鬼になってひとりで酒を呑むなら、長谷川一夫のつもりがいい。

熊本の妖怪 うわん
熊本の妖怪 うわん / amadeusrecord



注釈1、「スローターハウス5」(著者:カート・ヴォネガット・ジュニア)   
      初版:1969年

      出版社: 早川書房
      メディア: 文庫

注釈2、「水木しげるのラバウル戦記」(著者:水木しげる)
      初版:1994年
      
      出版社: 筑摩書房
      メディア: 文庫

注釈3、「月光の夏」(監督:神山征二郎)
      日本映画 1993年製作
      原作:毛利恒之

      メーカー: ポニーキャニオン
      メディア: DVD

注釈4、「男たちの大和/YAMATO」(監督:佐藤純彌)
      日本映画 2005年製作
      原作:辺見じゅん

      メーカー: 東映
      メディア: DVD
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posted by マンハッタン坂本 at 00:00 | Comment(0) | 映画全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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