INFORMATION INFORMATION

2010年11月28日

「ま、ええんとちゃいますか」の堺雅人は、宮崎県出身だった。

キネマ旬報 2008年 11/15号 [雑誌]

「ま、ええんとちゃいますか」の堺雅人は、宮崎県出身だった。
 introducing 「ココニイルコト」「ハチミツとクローバー」「クライマーズ・ハイ」「ジャージの二人」「ジェネラル・ルージュの凱旋」

初めて観た映画が「ココニイルコト」だったせいか、僕は長い間、堺雅人を関西出身の俳優だと思い込んでいた。関西に住んだこともないし、微妙なアクセントとかニュアンスなんか分かりもしないのに、彼がしゃべる関西弁が本物に聞こえたせいだ。
そして何よりも堺という名字が僕にそんな先入観を抱かせた。堺正章なんか東京出身だというのに。

ウィキペディアによると、堺雅人は宮崎県出身の人物らしい。高校を卒業して早稲田大学に進学するまで宮崎市で育った。
だが彼のエッセイ集「文・堺雅人」によると、神戸で生まれ3歳まで住んでいたらしい。
どうやら「ココニイルコト」と同じ時期に、京都が舞台のNHK朝ドラ「オードリー」(共演がほとんど関西出身の役者らしい)を撮影していたせいかもしれない。
  (注釈1)

こんばんは、マンハッタン坂本です。


「ココニイルコト」の堺雅人は「ま、ええんとちゃいますか」と言うのが口癖の能天気な広告マンを演じた。

上司との浮気がバレて大阪支社に左遷されてきた相葉志乃(真中瞳)を相手に、「相葉さん、勝負や」と言って賭けをする度に負けるところが何ともおかしかった。
  (注釈2)



「ハチミツとクローバー」では、天才画学生の蒼井優や天才彫刻家の伊勢谷友介などを抱えた美大の教員を演じた。

恋に作品に無軌道にのめり込む彼らをにこやかな面持ちで見守り、時折くわえ煙草でぼーっとやり過ごす姿が印象的だ。
  (注釈3)



「クライマーズ・ハイ」では、敏腕な新聞記者だ。
1985年、日航機墜落事故の全権デスクを任された悠木(堤真一)のもと、山腹まで登って現場を取材するが、記事が間に合わずボツにされる。現場作家として改めて書いた美談も二面扱い。女性記者(尾野真千子)がつかんだネタをもとに事故調査委員に突撃取材するが、ダブルチェックに確信の持てない悠木にボツにされ、スクープを逃してしまう。

だが最後の最後まで諦めず、事故の全貌を伝えようとする姿勢は一貫しており、鬼気迫るものがあった。
  (注釈4)



「ジャージの二人」は、会社を辞めたばかりの30過ぎのサラリーマン。
真夏の北軽井沢の山荘で父親(鮎川誠)と小学校のジャージを着たまま何もせず過ごしている。翌年、破局寸前の妻と歳の離れた腹違いの妹が入れ違いに加わるだけ。事件と言えば、イノシシが出そうな道で迷うくらいだ。

のほほんとした彼の暮らしぶりが、僕らをほっとさせてくれた。
  (注釈5)



「ジェネラル・ルージュの凱旋」では、救命救急センター長を務める天才外科医・速水を演じた。
重傷はもちろん、軽傷でものべつ急患を受け入れ、部下である救急医や看護師をこき使っている。

ある日、病院の倫理委員長を務める心療内科医の田口(竹内結子)のもとに、速水と医療メーカーとの癒着を告発する文が届く。同時に、厚生労働省の白鳥(阿部寛)にも似たような告発文が届く。果たして凸凹コンビの内偵が始まる。

メーカーのセールスマンの墜落死まで起こり、病院内部の陰謀が漂ってくるさ中、速水を糾弾すべく倫理委員会が開かれる。速水はあっさりメーカーとの癒着を認め、ベッド不足、人員不足など、救命救急センターに対する不当な扱いを訴える。そして赤字隠しのためで、個人的な利益供与を受けていないと主張する。

折しも、近くのショッピングモールで災害が起こり、大量の患者が搬送されてくる事態となる。
速水の的確な指揮のもと、病院全体が救急病棟と化す。

「上に立つ者は、我ままでなくちゃいけない。指揮官はときに、人でなしになることが必要だ」
「部下に恨まれてもですか?」
「それで助かる命が一つでも増えるならな」


いつも口にしているチュッパチャプス代だけが個人的利益供与だという理由で退職を認められず、速水は別の救命救急センターに飛ばされる。そして清々しく病院を後にする。

堺雅人は、不思議な俳優だと思う。瀕死の重傷患者を目の前にしても、鋭い眼光で相手を圧倒しているときも、その表情の奥に優しさが宿っている。
  (注釈6)



TVドラマでは、何と言っても「篤姫」での、ひょうひょうとした徳川家定が好きだ。

「上様は日本一の男にございます」

二人の最後の夜、徳川家の女になる決心をした篤姫(宮崎あおい)は、誇らし気にそう断言する。
それに対し、家定(堺雅人)がしみじみと心の内を明かす。

「幕府もハリスも将軍も、そのような者なにもない世界に行きたいのう。そうすればそちと、一日中面白い話ができるのに」
  (注釈7)



森田芳光監督の新作時代劇「武士の家計簿」が12月4日に公開になる。
そろばんバカと呼ばれた実在の下級武士(加賀藩の経理係)を堺雅人が演じる。楽しみである。
  (注釈8)



「喜怒哀楽をすべて笑顔で表現する」と言われる堺雅人。

 酒を飲むときも、そんな笑顔で飲んでいるのだろうか。



 
 
 追伸:堺雅人にまつわる最新記事「洗いくまモンの逆襲。」




蛇足ながら僕は、初対面の人に出身を訊かれるといつも戸惑う。
ウィキペディアによると、僕は熊本県出身の人物らしい。間違いではない。

好むと好まざるにかかわらず、アメリカで生また人物は両親が日本国籍でもアメリカ国籍となる。その制度を当てはめるなら、僕は間違いなく熊本県熊本市に本籍がある熊本県出身者だ。
だが物心のつかない最初の5年間を除くと、その後の50年のうち、熊本で暮らしたのはたった5年である。それでも熊本県出身の人物だ。



注釈1、「文・堺雅人」(著者:堺雅人)

文・堺雅人
文・堺雅人
posted with amazlet at 10.11.27
堺雅人
産経新聞出版
売り上げランキング: 9232


注釈2、「ココニイルコト」(監督、脚本:長澤雅彦)
日本映画 2001年製作
原案:最相葉月「なんといふ空」
メーカー:バンダイビジュアル
メディア:DVD
ココニイルコト [DVD]
ココニイルコト [DVD]
posted with amazlet at 10.11.27
バンダイビジュアル (2002-01-25)
売り上げランキング: 22487


注釈3、「ハチミツとクローバー」(監督、脚本:高田雅博)
日本映画 2006年製作
音楽、菅野よう子
メーカー:角川エンタテインメント
メディア:DVD
ハチミツとクローバー ~恋に落ちた瞬間~ [DVD]
角川エンタテインメント (2006-07-14)
売り上げランキング: 4733


注釈4、「クライマーズ・ハイ」(監督、脚本:原田眞人)
日本映画 2008年製作
キネマ旬報日本映画助演男優賞(堺雅人)受賞
メーカー:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
メディア:DVD
クライマーズ・ハイ [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2009-10-23)
売り上げランキング: 17813


注釈5、「ジャージの二人」(監督、脚本:中村義洋)
日本映画 2008年製作
原作:長嶋有
メーカー:メディアファクトリー
メディア:DVD
ジャージの二人 [DVD]
ジャージの二人 [DVD]
posted with amazlet at 10.11.27
メディアファクトリー (2009-03-06)
売り上げランキング: 17680


注釈6、「ジェネラル・ルージュの凱旋」(監督:中村義洋)
日本映画 2009年製作
原作:海堂尊
メーカー:TCエンタテインメント
メディア:DVD
ジェネラル・ルージュの凱旋 [DVD]
TCエンタテインメント (2009-09-09)
売り上げランキング: 2529


注釈7、「篤姫」(NHK大河ドラマ)
日本TVドラマ 2008年1月〜12月放映
原作:宮尾登美子
国際ドラマフェスティバルIN TOKYO 2008 助演男優賞(堺雅人)受賞
メーカー:ジェネオン・エンタテインメント
メディア:DVD
NHK大河ドラマ 篤姫 完全版 第壱集 [DVD]
ジェネオン エンタテインメント (2008-12-19)
売り上げランキング: 11309



注釈8、「武士の家計簿」(監督:森田芳光)

日本映画 2010年製作 12月4日公開
配給:アスミック・エース、松竹
マンハッタン坂本のシネマワンダーランドが気にいった!
そんな方は、一票お願いします→ 人気ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
posted by マンハッタン坂本 at 00:00 | Comment(1) | 映画全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
神戸市出身のものです。堺雅人のファンなんで、ウィキペディア見てたら「神戸市生まれ?」って書いてあって「おおおお」と思って検索しててここにおじゃましました。

ひょっとしてご両親かなんかが関西人なのか・・・と思っていましたが、「ココニイルコト」のユーチューブ動画を聞く限りにおいては、あまりネイティブな感じはしませんでした。むしろそこかしらに結構違和感が。。。

いや、「似非関西弁しゃべりやがって」的にケチを付けたいわけではないんですよ!ただ、関西育ちの人にどう聞こえるか、ということを、一応お知らせしておこうかと・・・・

この記事、とてもおもしろかったです。私はリーガル・ハイで始めて堺雅人を知ってファンになりました。

おじゃまいたしました。
Posted by 通りすがり。 at 2013年07月08日 00:09
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:



×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。