INFORMATION INFORMATION

2012年01月27日

探せ されば 見つからん CERCA TROVA

Who Is Jesus Christ?
Who Is Jesus Christ? / ideacreamanuelaPps


探せ されば 見つからん CERCA TROVA
introducing 「テルマ&ルイーズ」「パリ、テキサス」「チェイサー」

アップルのスティーブ・ジョブズ氏を、現代のレオナルド・ダ・ヴィンチだと評したのはソフトバンクの孫正義である。

有名な話だが、フィレンツェのヴェッキオ宮殿五百人大広間には、ダ・ヴィンチの未完成の大壁画「アンギアーリの戦い」が隠されている。後期ルネッサンスの宮廷画家ジョルジュ・ヴァサーリのフレスコ画の下である。
宮殿の改修を命じられたヴァサーリが、ダ・ヴィンチの壁画の上に1センチから3センチくらいの隙間を空けもう一つ壁をつくったのだ。彼が天才万能人の信奉者であり、作品を傷つけないためだ。
そして壁に新しく描いた絵、フィレンツェの兵士が掲げる緑色の軍旗のところにこう記した――「CERCA TROVA(探せ されば 見つからん)」

のちにイタリアの美術史家マウリツィオ・セラチーニ教授がその文字を発見し、X線などを使って壁画の存在を確認した。

クリミア戦争で巨万の富を得たドイツ人のハインリッヒ・シュリーマンは、ホメーロスの「イーリアス」に描かれたトロイヤの存在を子供の頃から信じていた。そしてその存在を証明する切っ掛けとなる遺跡を発掘する。
彼の試みは「古代への情熱」で美化されたが、考古学的には問題だらけだった。だが彼の財力がなければトロイヤの発見はなかったかもしれない。
   (注釈1)

いつの時代でも、宝探しはワクワクする。
ところがどんな理由にしろ、人が人を捜すということとなると、一筋縄ではいかない。

ハイホー、マンハッタン坂本です。

66年型サンダーバード車で逃走する「テルマ&ルイーズ」を追跡するハル・スローコム警部(ハーヴェイ・カイテル)は、週末バカンスに出たはずの2人が起こした事件の関係者や彼女らに近しい人物に聞き込みをするうちに、疑問がわいてくる。

テルマ(ジーナ・デイビス)をレイプしようとしてルイーズ(スーザン・サランドン)に撃ち殺された男を知るウエスタン・バーのウェイトレスは、殺されて当たり前の野郎だから2人が犯人じゃないときっぱり否定する。
専業主婦のテルマの旦那は、明らかに彼女を痛めつけていたようだ。
車の持ち主で、レイプに対して過剰反応を示すルイーズの恋人は、彼女に頼まれ全財産を届けに行っている。
おまけに、その金をJD(ブラッド・ピット)が盗んだお陰で、テルマがコンビニで強盗する羽目になったらしい。

「事故だと言ったら信じる?」
「信じるとも。俺はそう主張したいんだよ。問題は事故に見えない事だ」


電話してきたルイーズに対し、そう言って警部は出頭するよう説得する。

だがグランドキャニオンの断崖絶壁の前でパトカーに囲まれた2人は、警部が走って追いかけるのも空しく、車もろとも谷底へ落ちていく。
  (注釈2)



4年間の放浪の末、テキサスの砂漠にあるガソリンスタンドで倒れたトラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)は、迎えに来た弟のウォルト(ディーン・ストックウェル)に「パリ、テキサス」の写真を見せる。通信販売で買ったテキサス州・パリという名の空き地だ。両親が愛し合った出発点を探していたと言う。

ロサンゼルスの弟夫婦に育てられた実の息子で7歳のハンターと再会する。
妻のジェーン(ナスターシャ・キンスキー)が映っている8ミリ・フィルムを見るうちに、トラヴィスは彼女を捜し出す決心をする。ヒューストンからハンター宛に定期的に送金されており、息子も一緒に行きたいと言ったからだ。

ヒューストンの銀行で張り込みをしていたハンターから、赤いシボレーに乗った母親らしき女を見たとトランシーバーで連絡を受ける。トラヴィスは息子と共に追跡し、ヌード・スタジオの裏口にたどり着く。

マジックミラー越しにジェーンを確認する。
ママと一緒に暮らすんだとラジカセに録音を残し、再びスタジオに戻る。
ジェーンに背を向け受話器に向かって、トラヴィスは涙ながらに告白する。ある男が妻と3歳になる息子のもとを去る気持になった経緯を。

「ここに来てからは、いつでもあなたの声が聞けるの」 

声の主がトラヴィスだと気づき、ジェーンはそう言って涙を流す。
ハンターが待つホテルのルーム番号を知らせる。

母親と息子の再会を確認し、トラヴィスが車で立ち去る。
後ろから、ライ・クーダーのスライド・ギターが鳴り響いてくる。
  (注釈3)



デリヘル嬢の元締めをする元刑事のジュンホ(キム・ユンソク)は、立て続けに2人の女が消息を断ったマンウォン町の住人から依頼を受け、風邪で寝込んでいたミジン(ソ・ヨンヒ)を無理やり送り込む。
 
彼女から住所を知らせるメールが届かない。車で捜しまわっている最中、接触事故を起こす。相手のドライバーに返り血を見たジュンホは、直感的にミジンの客だと見抜く。格闘の末捕まえるが、ヨンミン(ハ・ジョンウ)と共に警察に連行される。

ソウル特捜隊のギル先輩に助けを求める。12人の女をノミやカナヅチで刺し殺したことをあっさりヨンミンが白状する。だが生きているミジンの居所を吐かない。血痕のDNA鑑定をするために彼女のアパートへ行くと7歳の娘がおり、ジュンホは子連れでミジンを捜す羽目になる。

ソウル市長警護に失敗し名誉挽回を焦る警察は、ヨンミンの嘘に翻弄され、見当外れの証拠探しをする。拘束時間が切れ、彼を釈放する羽目になる。

ミジンが一晩かけて脱出する。駆け込んだ店にヨンミンが煙草を買いに来る。
ジュンホが駆けつけたとき、首のない姿になり果てている。

「怒らないで聞いて、この仕事やめるわ。これ以上できない」 

留守伝に入ったミジンの悲痛な声を聞きながら、ジュンホは血だらけの現場で肩を落とす。

だが諦めず執拗に捜し続ける。ジュンホはついに居所を突きとめる。教会の十字架を作成した人の家だ。
ヨンミンとの壮絶な格闘の末、カナヅチを振り下ろす。その瞬間、警察が突入してくる。
  (注釈4)



「じぶん、新発見。」
糸井重里が西武百貨店のために書いたキャッチコピーである。

初めから捜す相手が明白な場合、その相手を捜し当てれば運がいい。手の届くところに相手がいても、近寄れなかったり変わり果てた姿で見つかることもある。
それぞれの場合、捜索者は何を感じるのだろうか。

人生の教訓でも得られれば、少しは努力が報われるかもしれない。
自分の中に今まで気づかなかった何かを発見できれば、前向きになれるかもしれない。


2011年、集団虐殺(ジェノサイド)を行った首謀者が次々と消えていった。オサマ・ビンラディン、カダフィー大佐、などなど。
だが人類が争いを止めない限り、我々の知らないところでジェノサイドが発生する。

ジェノサイドがもたらすものは、捜し求める人すらいない多くの犠牲者を生み出すことだ。





注釈1、「古代への情熱」(著者:ハインリッヒ・シュリーマン)
      初版:1891年

      出版社:新潮社
      メディア:文庫本

注釈2、「テルマ&ルイーズ」(監督:リドリー・スコット)
      アメリカ映画 1991年製作 原題:Thelma and Louise
      米アカデミー賞脚本賞受賞
      ゴールデングローブ賞脚本賞受賞

      メーカー:20世紀フォックス・ホーム・エンターテインメント・ジャパン
      メディア:Blu-ray


注釈3、「パリ、テキサス」(監督:ヴィム・ヴェンダース)

      西ドイツ・フランス映画 1984年製作 原題:Paris,Texas
      カンヌ国際映画祭パルムドール、国際批評家連盟賞受賞

      メーカー:東北新社
      メディア:DVD

注釈4、「チェイサー」(監督、脚本:ナ・ホンジン)
      韓国映画 2008年製作 英題:The Chaser
      韓国アカデミー賞(大鐘賞)作品賞、監督賞、
      主演男優賞(キム・ユンソク)など全6部門受賞

      メーカー:角川エンタテインメント
      メディア:DVD



マンハッタン坂本のシネマワンダーランドが気にいった!
そんな方は、一票お願いします→ 人気ブログランキングへ
人気ブログランキングへ
posted by マンハッタン坂本 at 00:00 | Comment(1) | 映画全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
最初に連想させない、判断させないマクラってのはシネワンの特徴としてありだと思う。ただ、逆にマクラの時点でコンセプトありきってのも、決して押し売りにまではならないと思いますよ。狭義でいうマクラってのは“ガイドライン”ってのが概ね周知されてるところだから、それこそ最初に導いてあげて、あとは内容の受け取り方は各自の判断って事でも問題ないかと。でも冒頭に云いましたが、「マンハッタン坂本は変化球投手」っていう特徴を打ち出していっていいと思う。最後に、虫歯では制球が定まりにくくなりますんで!!お大事に!
Posted by 光益 明 at 2012年01月29日 00:36
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:



×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。