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2011年05月07日

ホットパンツ・グラフィティ。


                                   「ホットパンツ」(歌:ジェームス・ブラウン)

ホットパンツ・グラフィティ。
introducing 「タクシードライバー」「プリティ・ウーマン」「ポセイドン・アドベンチャー」

1974年2月、九電記念体育館でジェームス・ブラウンがライブをやった。彼のバックバンド、総勢20人ほどのJB’Sを引き連れ、沖縄の米軍基地へ慰問に行く途中での公演である。

新曲「The Payback」を皮切りに、代表作「Get Up(I Feel Like Being Like A)Sex Machine」「Super Bad」「Soul Power」など30数曲、途切れなくパワフルにシャウトし続けた。
最前列に並べられた折りたたみ椅子とステージの間にスペースがあり、あっという間にそこへ観客が集まり、さながら「ソウル・トレイン」のように踊りまくった。遅ればせながら僕もステージ前に駆けつけ、間近でJBを見ながら踊った。
後にも先にも、コンサート会場で自由に踊ったのはそのときだけである。
Perfumeの「ディスコ・ディスコ・ディスコ」ツアーでもそんなことはできない。
  
当然のことながら、1971年のヒット曲「Hot Pants」もシャウトした。
だが熱狂的に踊っている女の子の中に、ホットパンツの子はいなかった。
  (注釈1)

ハイホー、マンハッタン坂本です。

アメリカのファッション業界紙が新しいショート・パンツを「ホットパンツ」と命名したのは、1971年春夏パリ・コレクションのあとだという。いち早くそれに反応して歌ったのがジェームス・ブラウンである。

東京でも一時的に流行ったらしいが、地方に住む高校生の僕には、下火となった学園闘争と同じくらい遠い出来事だった。
日本で定着するには、僕らの子供の世代まで待つしかない。


先日亡くなった元フジテレビ・プロデューサーの横澤彪氏が、女子アナは「電波芸者」に徹するべきだと言ったという。
その言葉を借りれば、映画の中で悩殺プレイ(演技)する女優を「フィルム芸者」なんて呼びたくなる。もちろん冗談だけれど、どうもホットパンツで登場する女優は健康的なお色気だけでは済まないようだ。
奇しくもハリウッドを代表する女優の出世作がホットパンツ姿だった。



客の要望ならニューヨークのどんな場所でも平気で走らせるトラヴィス(ロバート・デ・ニーロ)のタクシーに、ある夜、白いホットパンツ姿の少女が逃げ込んでくる。彼女はすぐさまポン引きに引きずり出される。

少女のことが頭から離れないトラヴィスは、再び彼女を街で見かける。今度は赤いホットパンツを履いている。金を払い、少女の部屋に入る。名前はアイリス(ジョディ・フォスター)、この前のことはラリってて憶えていないと言う。
家に帰るよう説得するが、彼女はてんで取り合わない。

トラヴィスはアーミージャケットに4丁の拳銃を隠し、アイリスを救いに行く。
  (注釈2)



ブロンドのボブ・フルウィッグで赤毛を隠したヴィヴィアン(ジュリア・ロバーツ)は運がいい。ブルーのホットパンツと白いタンクトップをつなぎにした挑発的な格好にもかかわらず、エドワード(リチャード・ギア)にシカトされなかったからだ。
普段彼は自分で運転しない。リムジンの住人で、企業買収で各地を飛びまわるハンサムな社長である。たまたま慣れない高級車ロータス・エスプリを運転し道に迷い、ハリウッド・ブルーバードでビバリーヒルズへの道を彼女に尋ねただけだ。

彼にとってあけっぴろげなヴィヴィアンは新鮮だった。エドワードは20ドルで彼女に道案内を頼む。途中、あまりに下手なので、彼女が運転を代わりビバリー・ウィルシャー・ホテルまで連れていく。
ニューヨークの恋人にふられたばかりだし、今夜は一人で過ごしたくない。エドワードは、そのままペントハウスへ彼女を連れていく。高級服を着た宿泊客が好奇の目で見ている。

彼女はストリート・ガールだが、まだまだかけ出しである。「ルーシー・ショー」を見ながら大笑いをする。唇にキスはダメだと言う。デンタル・フロスを使って歯を磨くところを見られたくない。
プリンスの「キッス」が好きである。意外なことに、ネクタイ結びが上手い。

同伴を必要とする商談が多いので、エドワードは彼女を3000ドルで6日間雇う。
ヴィヴィアンは、カクテル・ドレスを買いにロデオ・ドライブへ行く。だがいかにも娼婦といった様子なので、店員から放り出される。
そこで親切に助けてくれたのがホテルの支配人である。

ヴィヴィアンは、日を追う毎に美しく洗練されていく。エドワードに恋をし、唇にキスを許す。
ハッピーエンドは、ブルージーンズだった。
  (注釈3)
「プリティ・ウーマン」(歌:ロイ・オービソン)



クレタ島沖、北西208キロで、マグニチュード7.8の海底地震が起こる。巨大な津波が発生し、航行中の豪華客船ポセイドン号の左舷を襲う。船は転覆し、船底が海上に浮き上がる。
新年のお祝いをしていたパーティ会場で、スコット牧師(ジーン・ハックマン)ら数十人の乗客が生き残る。彼は船底に逃げるべきだと考え、救助を待とうと主張するパーサーに従う人々の説得を試みる。

「上へ行くと、いい物があるの?」
「命です」


怖気づく肥満体の中年女性ベル(シェリー・ウィンタース)に向って、彼はそう答える。

船底への入口は、ボーイのエイカーズがいる調理場である。調理場への橋渡しのために運んだ巨大なクリスマス・ツリーを、わずか9人が登る。
スカートを脱いで赤いホットパンツ姿になった高校生のスーザン(パメラ・スー・マーティン)と幼い弟、ベルとその夫、ロゴ刑事(アーネスト・ボーグナイン)夫婦、ベージュのホットパンツを履いた歌手のナニー(キャロル・リンレイ)と兄を失った彼女を勇気づけるジェームズである。

調理場の方からもう一度牧師が説得を試みるが、誰も耳を貸さない。
その直後、爆発が起こり、海水が押し寄せてくる。あっと言う間に残った乗客が海水に呑まれる。

船底に向かって強引に突き進もうとする牧師に対し、刑事は常に警鐘を鳴らし続ける。
調理場の中、通気孔・シャフトの中、機関室の中、通り抜けが可能か先に確認し、スコット牧師が後続を導く。

だがシャフトでボーイを失う。海水に阻まれた機関室まで命綱を張る途中、牧師が鉄板の下敷きとなり、潜水して助けたベルが力尽きる。機関室では、爆発の大揺れで刑事の妻リンダが落下する。

次の爆発でボイラー管から蒸気が噴出し、行き手を阻む。
何人いけにえが欲しいんだ!と叫びながらスコット牧師が飛び上がりハンドルにつかまる。死んだ3人の名前を呼びながらハンドルをまわし蒸気を止める。そのまま炎が表面を覆った海水に身を投げる。

船底の鉄板が焼き切られ、命を助けられたのはパーティ会場から脱出した10人のうち6人だけだった。
生き残った女性はいずれもホットパンツ姿だった。
  (注釈4)
「モーニング・アフター」(歌:モーリン・マクガバン)




東日本大震災では、中国人研修生を先に高台へ避難させ、津波に呑まれた水産会社専務がいた。
住民への避難勧告を最期までマイクで叫び続けた24歳の危機管理課の女性職員がいた。

彼らは、スコット牧師のように宗教的な自己犠牲の持ち主ではない。その場にいた人たちを避難させることしか頭になかったにちがいない。

彼らの犠牲によって生き延びた人たちの義務は、生かされた命を大切にすることだ。その後どんな境遇で暮らすことになろうと。僕はそう思う。



ホットパンツを履いているからといって、ご利益があるわけではない。
僕は単に、落書き(グラフィティ)のようにホットパンツ女優の映画を列挙しただけだ。たまたま彼女たちが街のゴミためから這い上がり、災害から生き残ったにすぎない。
健康的なお色気を振りまきながら、普通に街中を闊歩する方がいい。



2011年5月3日は、ジェームス・ブラウンの生誕78年だった。
だから何なのと言われても仕方ない。全くもって切りの悪い生誕記念日である。
だがファンキー・プレジデント!ジェームス・ブラウンは不滅である。





注釈1、Revolution Of The Mind:Live At The Apollo Vol.V
                   / ジェームス・ブラウン


                      メディア:輸入CD

注釈2、「タクシードライバー」(監督:マーチン・スコセッシ)
      アメリカ映画 1976年製作 原題:Taxi Driver
      カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞
      英アカデミー賞助演女優賞(ジョディ・フォスター)、作曲賞受賞 

      メーカー:ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
      メディア:DVD

注釈3、「プリティ・ウーマン」(監督:ゲーリー・マーシャル)
     アメリカ映画 1990年製作 原題:Pretty Woman
     ゴールデングローブ賞(コメディ/ミュージカル部門)主演女優賞(ジュリア・ロバーツ)受賞

     メーカー:ウォルト・ディズニー・ジャパン
     メディア:Blu-ray

注釈3、「ポセイドン・アドベンチャー」(監督:ロナルド・ニーム)

      アメリカ映画 1972年製作 原題:The Poseidon Adventure
      米アカデミー賞歌曲賞「モーニング・アフター」、特別業績賞受賞
      ゴールデングローブ賞助演女優賞(シェリー・ウィンタース)受賞
      英アカデミー賞主演男優賞受賞

      メーカー:20世紀フォックス・ホーム・エンターテインメント・ジャパン
      メディア:DVD


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posted by マンハッタン坂本 at 00:00 | Comment(0) | 映画全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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