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2013年07月15日

BGMな名画が好き。


                                          「SAMBA SARAVAH」(男と女のサンバ)

NO MUSIC,NO LIFE PartU

BGMな名画が好き。
introducing 「男と女」「2001年宇宙の旅」「第三の男」

僕にとって究極のBGMは、ボサノヴァ(BOSSA NOVA)である。何時いかなるときに聴いても心が安らぐ。
僕が初めて聴いたボサノヴァのアルバムは、アメリカのジャズ・ミュージシャンによって1962年2月に吹き込まれた「JAZZ SAMBA」である。
クリード・テイラーがプロデュースし、スタン・ゲッツがテナー・サックスを、チャーリー・バードがギターを演奏した。有名な「ワン・ノート・サンバ」も収録されている。

翌年3月、スタン・ゲッツはジャズ・ボサの金字塔と言われるアルバム「GETZ/GILBERTO」を録音する。ブラジルを代表するミュージシャン、ジョアン・ジルベルト(ギター、ボーカル)、アントニオ・カルロス・ジョビン(ピアノ、作曲)、アストラット・ジルベルト(ボーカル)、ミルトン・バナナ(パーカッション)を迎えた豪華な共演だった。
  (注釈1)

一方、放浪のシンガー・ソングライターピエール・バルーは、母国フランスに初めてボサノヴァを紹介した。そしてサンバの巨匠バーデン・パウエルやヴィニシウス・ヂ・モラエスと共作した「SAMBA SARAVAH」を、1966年に公開された映画「男と女」で披露する。

僕にとって究極のBGMな名画は、「男と女」である。

ハイホー、マンハッタン坂本です。

BGMな名画は、洒落たカフェバーやレストランで、絵画の代わりに音を消して流す映画のことではない。
BGMな名画は、音楽はもちろんセリフや効果音ですら、すべてが耳に心地よい。
二人の会話が途切れたとき、相手が席を外してひとりになったとき。
あるいは掃除機を止めたとき、洗濯物をたたんでいるとき。
目を向けさえすれば、どんなシーンからでもその世界にのめり込んでいける。



「男と女」は、走る姿が美しい映画である。

白馬にまたがったアンヌ(アヌーク・エーメ)とピエール(ピエール・バルー)がブラジルの仲間と一緒に草原を走る。
「SAMBA SARAVAH」(男と女のサンバ)が流れる。
歌の合間に、ブラジル音楽に傾倒するピエールのモノローグが入る。

「ジョアン・ジルベルト、カルロス・リラ、ドリヴァル・カイミ、アントニオ・カルロス・ジョビン、ヴィニシウス・ヂ・モラエス、この曲をはじめ沢山の歌を作曲したバーデン・パウエル……彼らに敬意を表したい。サンバを育んできた彼らと、サンバを僕に教えてくれた人々と、今宵は酒に酔いしれよう……サラヴァ(君に祝福あれ)」

「男と女のテーマ」


海岸を走りまわるオープンカー。ジャン=ルイ(ジャン=ルイ・トランティニャン)が運転するとなりで、幼い息子が声を上げてはしゃぐ。
レーシングカーのテスト走行。雨の中をドービルへ向かう赤いムスタング。

砂浜をかけっこする子供たち。ジャン=ルイもアンヌも嬉しそうに眺めている。

モンテカルロ・ラリー。時速300キロで疾走するムスタング。
レース直後の傷だらけのムスタングに乗ったジャン=ルイがアンヌのもとへひた走る。ヘッドライトの点滅に気づき、アンヌと子供たちが走り出す。

抱きしめ合う二人を祝福するかのように、波打ち際を駆けまわる黒い犬。
  (注釈1)


「美しき青きドナウ」


「2001年宇宙の旅」は、アートのようなSF特撮映画だ。宙に浮かぶモノが美しい。クラシック音楽がそれに彩りを添える。

モノリスの影響で知恵を授かった猿人が動物の骨を投げる。
それに呼応するハマキ型の旅客宇宙船。互いに影を落としながら優雅に回転する宇宙ステーション。
無重力状態で浮遊するフロイド博士の万年筆。ライトに反射してキラリと光る。

ゆったりと降りていく月着陸船。モノリス調査に向かうムーンバス。
木星探査船ディスカバリー号。球体の司令船と蛇のように長い胴体。

HAL9000コンピュータがアンテナの故障を予告する。
宇宙ポッドで船外へ、宇宙服でアンテナまで遊泳。のちに、故障のないユニットを戻す際に宇宙空間に放り出される。
HALの謀反と判断したボウマン船長(キア・デュリア)が論理記憶中枢に侵入する。
格子戸のような端末装置に真っ赤に照らされた宇宙服で遊泳。

木星の周りを不気味に浮遊するモノリス。新しい時代を眺めるスターチャイルド。
  (注釈2)


「第三の男のテーマ」


「第三の男」はモノクロ映画の最高峰だ。名セリフにあふれている。

旧友ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)が待つウィーンを訪れた三文小説家ホリー・マーチンス(ジョゼフ・コットン)は、ハリーが埋葬された墓地で、彼の恋人であるアンナ(アリダ・ヴァリ)に一目惚れをする。
国際警察のイギリス代表からハリー・ライムの悪事を知らされ、二人は落胆する。

「君の笑顔を初めて見た。もう一度……」
「二度も笑えないわ」
「面白い顔をしよう。おかしな行動もしよう。あらゆる冗談を言おう。見込みはないかい?」


見事にふられたホリーは、アンナのアパートを後にする。やけになって声を上げる。
すると目の前に、ハリー・ライムの不敵な笑顔が浮かび上がる。

「君を助けようとしない、彼を求めている」
「求めてないわ。会いたくも話したくもない。でも私の心には彼しかいない」


ハリー・ライムにとどめの一発を撃つホリー。
ハリーの二度目の埋葬が終わった後、枯葉舞い散る並木通りでアンナを待ち受ける。
彼女は見向きもせず、無表情で足早に通り過ぎていく。
  (注釈3)



BGMな名画は、見る人によって好きなシーンが違う筈だ。
同様に好きな映像や好きな俳優や好きな演技や好きなセリフや好きな楽曲や好きな音も違う。
僕が列挙したのは、好きなところを抜粋したにすぎない。
これらの名画たちは、大半の人が知っている。誰が何と言おうと名画中の名画である。


何はともあれ、BGMな名画を観ながら、酒に酔いしれる。幸福なことだ。



2010年末、「2001年宇宙の旅」の未公開映像が発見された。17分間のフィルムだという。
僕にとって極めて興味をそそるニュースである。是非見てみたい。

資金不足のために何度も製作中断を余儀なくされたという「2001年宇宙の旅」の映像は、未だに驚異である。
月面に沿って等間隔に飛行するムーンバスの大きな窓に映る動く人影、ディスカバリー号の中で途切れなくジョギングするシーン、などなど。
CGと言ってもまだ研究段階のワイヤーフレームCGしかなかった60年代後半に、途方もない時間をかけてこつこつと製作された特撮映像は、ほとんどアナログ技術で撮影・編集された。

YOUTUBEのお陰で、様々な映像がタダ同然で見られる時代になった。
俳優や監督に対するトリュビュート動画もいろいろ見ることができる。
手前味噌になるけれど、YOUTUBEが出現する遥か以前から、僕も自分で編集したトリビュート映像をつくっていた。極めてクローズドな映画紹介ライブ・イベントのためのものだ。
イベントの内容は、スター俳優の出演作品をコンプリートで集めてきて、そのダイジェスト映像を紹介する。特集する時点での未公開の新作を含めてだ。最後に関連グッズを抽選でプレゼントした。

当然のことながら、コンプリートなのでYOUTUBEの動画より時間が長い。長いからと言って良いわけではない。
映画一本を平均3分にまとめたその映像は、基本的に3部構成にした。
「序」は、僕が喋りをかぶせる導入的な映像。そのとき主にストーリーを説明する。「破」は、見るだけでストーリーが分かる映像。僕が語った予備知識が手がかりとなる。「急」は、見所となる映像。そのとき僕が印象を点描する。そしてそれらをつなぎ合わせたダイジェスト映画を古い順に間断なく流す。

2台のビデオ・デッキだけで編集しているので、オーバーラップもワイプもない。まさにツギハギ映像である。技術的なことと言えば、編集の継ぎ目にレインボー・ノイズが入らないように、録画側に三菱電機・京都工場で生産されたフライング・イレース・ヘッド搭載のビデオ・デッキを使っただけである。
映像ソースも一部レーザーディスクがあるものの、ほとんどビデオ・カセットの映像だ。プロジェクターを使って200インチのハイビジョン・スクリーンに映し出すと、画質がかなり粗くなる。

「ターミネーター2」が公開される直前にイベントを始めた。
周知の通りジェームズ・キャメロン監督のエポック・メーキングなその映画のお陰で、世界的にCG映画が席巻していく。同監督の「アバター」は、3D映画の先駆けとなる。

しかしながら、スタンリー・キューブリック監督は偉大だ。
新しい映画を製作する度に、自分が思い描く映像を具現化するために新たなマシーンを開発させ、それまで見たことのないキューブリック・ワールドを創造する。
1999年に製作された「アイズ・ワイド・シャット」を除けば、現在当たり前のように使われているCG技術のない時代にである。

超アナログ人間の僕にとって、スターの出演した映画とその魅力を表現するのに、ビデオ・デッキ2台で十分だった。
CGや3Dが悪いとは思わない。ジェームズ・キャメロン監督が「タイタニック」で試みたことは、これ見よがしにCG特撮映像を見せるのではなく、むしろ観客にCGと気づかれないように、かつて存在したタイタニック号をフィルムに再現することだった。

すべてに言えることだが、今を生きる人間にとって必要なことは、ハイテクとローテクの共存である。デジタルとアナログの共存である。モダニズムとアナクロニズムの共存である。
片方だけに依存するのではなく、双方の長所を生かし、上手く組み合わせることによってこそ、進歩する。真の進歩があると思う。





注釈1
「ジャズ・サンバ」(スタン・ゲッツ&チャーリー・バード)


メーカー:ユニバーサル・ミュージック
メディア:CD

「ゲッツ/ジルベルト」(スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト)

メーカー:ユニバーサル・ミュージック
メディア:CD


注釈2、「男と女」(監督、脚本:クロード・ルル―シュ)
      フランス映画 1966年製作 英題:A Man And a Woman
      音楽:フランシス・レイ、バーデン・パウエル
      作詞:ピエール・バルー
      カンヌ国際映画祭パルムドール受賞
      米アカデミー賞外国語映画賞、オリジナル脚本賞受賞
      ゴールデングローブ賞外国語映画賞、主演女優賞受賞
      英アカデミー賞外国人女優賞受賞

      メーカー:ワーナー・ホーム・ビデオ
      メディア:DVD

注釈3、「2001年宇宙の旅」(監督、脚本:スタンリー・キューブリック)
     イギリス・アメリカ映画 1968年製作 原題:2001:A Space Odyssey
     原作、脚本:アーサー・C・クラーク
     テーマ曲:リヒアルト・シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」
     米アカデミー賞特殊視覚効果賞受賞。
     英アカデミー賞音楽賞、撮影賞、美術賞受賞

     メーカー:ワーナー・ホーム・ビデオ
     メディア:Blu-ray

注釈4、「第三の男」(監督:キャロル・リード)
      イギリス映画 1949年製作 原題:The Third Man
      原作、脚本:グレアム・グリーン
      音楽:アントン・カラス
      カンヌ国際映画祭グランプリ受賞
      米アカデミー賞撮影賞(白黒部門)受賞
      英アカデミー賞作品賞(国内部門)受賞

      メーカー:ジェネオン・ユニバーサル
      メディア:DVD

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posted by マンハッタン坂本 at 00:00 | Comment(0) | 映画全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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