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2012年10月01日

復活するって本当ですか?


                                   「夏への扉」 by 難波弘之

復活するって本当ですか?
introducing 「エイリアン2」「ブラジルから来た少年」「惑星ソラリス」

古臭い言い方だけれど、SFチックな世界では、いろんな連中が復活する。
オカルトやファンタジーの世界ではお約束だが、ホラーの世界ではのべつまくなく復活してくる。
何が嫌かと言って、やたら死人が甦るゾンビや呪文を唱えれば甦る妖怪や陽が落ちると甦るヴァンパイアや突然甦る悪霊たちだ。つまり僕はホラー映画が苦手だ。

やはり人類は一旦死んだら、大人しく墓の下で眠っていただきたい。でなければ、「死人に口なし」が大前提の裁判やサスペンスの世界が成り立たなくなる
許せるのは、いろんな呼び名がある救世主かハン・ソロくらいだ。

とは言え、復活のテーマ曲は山下達郎の「夏への扉」がいい。
映画「スターシップ・トゥルーパーズ(宇宙の戦士)」の原作者として名高いロバート・A・ハインラインの超人気小説を題材にして、吉田美奈子が主人公の心情をロマンチックに歌詞にした歌だ。
原作はコールド・スリープ(冷凍睡眠)ありタイム・トラベルありのこてこての50年代SFで、世のすべての猫好きに捧げられている。

思えば半年、シネワンはコールドスリープしていた。
復活すると言っても、「スリーパー」のウディ・アレンのように目覚めた途端、奇妙キテレツな行動に出るかもしれない。

ハイホー、マンハッタン坂本です。


そう、ダニエル・ブーン・デイヴィスは2度復活した。

最初は、強制的にコールド・スリープをさせられ、2000年に目覚める。お陰で彼の飼い猫、護民官ペトロニウス――通称ピートと愛するリッキイと別れ別れになる。
1970年に残されたピートは、人間用のドアの、少なくともどれか一つが夏に通じていると信じている牡猫で、11歳のリッキーがとても可愛がっている。

二度目は、タイム・マシンで1970年に戻り、ピートと共にゴールド・スリープして2001年に目覚め、21歳でコールド・スリープしたリッキーが目覚めるのを待ち受ける。
リッキーは、新郎のダニイに向かって言う――「あたしが大人になるのを待っている間、楽しかった?」
   (注釈1)


そう、2等航海士リプリーは復活した。

ノストロモ号の脱出シャトルの逆噴射エンジンを使ってエイリアンを吹き飛ばしたあと、猫のジョンジーと共にコールド・スリープに入り、57年後にサルベージ船に救出される。
その間、エイリアンと遭遇した惑星LV426には、地球から157人も入植している。

リプリー(シガニー・ウィーバー)は、悪夢にうなされ続けたが、意を決し、完全武装した植民地海兵隊と共に、その惑星に乗り込む。通信が途絶えたからだ。
入植者に埋め込まれた個体識別発信器の信号はすべて、大気処理装置の冷却塔から発せられており、そこでエイリアンが増殖していた。
次々と海兵隊員が殺られる中、たった一人生き残っていた7歳の少女ニュートを守るため、リプリーはついに巨大なエイリアン・マザーと対峙する。そして再び船外に吹き飛ばす。

胴体を失いながらも間一髪でニュートを助けた人造人間ビショップ(ランス・ヘンリクセン)は、リプリーに向かってこう言う――「人間にしては、上出来だ」
   (注釈2)



そう、少年アドルフ・ヒトラーは復活した。

そのことに初めて気づいたのは、長年ナチスの残党を追い続けていたリーバーマン(ローレンス・オリビエ)だった。
北米・ヨーロッパ中に散らばった65歳の公務員が2年半の間に94名も殺されている。
そんな通報を元ユダヤ青年自衛団の男から受け取り、調査していたのだ。

不審な死に方をした老人の家を訪ねまわるうちに、42歳の未亡人が息子を溺愛しており、その息子が黒髪で青い目で同じ顔をしていることに気づく。
14年前に養子斡旋をしたドイツ女から、すべての赤ん坊がブラジルから来たことを知る。

アウシュヴィッツの主任医師で、遺伝学者のメンゲレ博士(グレゴリー・ペック)の仕業にちがいない。ヒトラーの細胞からコピーした子供たちがヒトラーと同じ環境で育つように、継父を65歳で殺害する計画なのだ。

リーバーマンは、ランカスターのウィーロック家を訪ねる。するとそこにメンゲレが待っている。計画からネオ・ナチス党が手を引いたため、メンゲレ自ら実行する羽目になったからだ。
部屋へ入るや、いきなり腹部を銃で撃たれる。もみ合ううちに少年が帰ってくる。継父が殺害されたことを知った少年は、嘘の通じない3匹のドーベルマンに向かって無情に犯人攻撃を命じる。

一命をとりとめたリーバーマンは、ユダヤ青年自衛団のデビッドに向かって言う――「幾ら相手が憎くても、その子供は殺せまい」
   (注釈3)



そう、心理学者クリス・ケルビンの妻ハリーが復活した。

それは「惑星ソラリス」の探査宇宙ステーション「プロメテウス」に到着して、彼が眠っている間だった。

ソラリス研究に否定的なクリス(ドナータス・バニオニス)にとって、想像を絶する出来事である。
それもそのはず、彼は地球を出発する前に、父親の友人で、かつてソラリス調査を行った宇宙飛行士のバートンから知らされた不可解な現象を頭から信じていなかったからだ。
宇宙ステーションで研究を続けていたスナウト博士や天体生物学者のサルトリウスの忠告もまったく理解できなかった――「ここにいる者には、誰にでも起こる」

10年前に死んだはずのハリー(ナタリヤ・ボンダルテュク)の姿を見て動転した彼は、彼女をロケットに乗せ、打ち上げてしまう。
美しいソラリスの海は、泥状に静かに渦巻いている。
彼が眠っている間、再びハリーが現れる。彼女は片時もクリスから離れようとしない。

二人の研究によると、人間の頭脳から取り出した記憶の一部をソラリスの海が物質化しているという。海に]線を放射して以来、中性微子(ニュートリノ)から成る“お客”が来るようになったのだ。

だがすでにクリスは、“お客”の虜になっていた。始めのうち、自分が何者なのか、何処から来たのか、何も知らなかったハリーの化身を愛していた。
クリスの母親に嫌われていたこと、些細な諍いが原因で自殺したことを古いフィルムを見て知った彼女も、クリスに心を寄せるようになる。

スナウト博士の誕生パーティで、3人は口論となる。黙って聞いていたハリーは、クリス以外から邪魔者扱いされていることを悟り、彼を愛してます、私は人間ですと涙ながらに訴える。

ハリーが発作的に液体酸素を飲む。体中に痙攣が走るおぞましい蘇生の様子を見て、クリスはショックを受ける。次第に心が乱れ熱を出し倒れる。君と一緒にここで暮らそうと言ったにもかかわらず、母親の夢を見ている間にハリーが置手紙を残して姿を消す。

君の脳電図を送って以来“お客”が来なくなった、海の様相が変化したと告げる52歳のスナウト博士に向かって、クリスは力なく訊ねる。

「死がいつ来るのか、わからんから聞くんだ」
「そんな問題に興味を持たないのが、最も幸せな人間だよ」


クリスは、地球にいる父親の家へと帰る。それはソラリスの海に浮かぶ島だった。
   (注釈4)



人間は弱い。愛する者を失った悲しみに耐えられず、もう一度会いたいと願う。
肉体がそっくりそのまま残り仮死状態であるならともかく、原型を留めず肉体が滅びた状態で、復活はあり得ない。
僅かに残った細胞を増殖蘇生させたクローン人間は、所詮オリジナルとは別物だ。血を分けた自分の子供と変わりない。魂までコピーできないからだ。

リアルな世界は、生きている者たちの世界だ。死んだ者は2度と戻ってこない。
その現実を受け止め、彼らに生かされていることを自覚し、前向きに生きていくしかない。

死後の世界や天国や楽園を信じている人たちがいる。大半は、自分自身のためにその存在を信じているのだと思う。
僕は信じないけれど、だからと言ってバカげてるとは思わない。
信じることによって、前向きに生きているのだと理解する。

信じるか信じないかで争いを起こすことの方が、バカげてると思う。


バッハ「ハ短調コーラル・プレリュード」





注釈1、「夏への扉」(著者:ロバート・A・ハインライン)
      初版:1957年 原題:The Door into Summer

      出版社:早川書房
      メディア:文庫本

注釈2、「エイリアン2」(監督:ジェームズ・キャメロン)
    アメリカ映画 1986年製作 原題:Aliens
    米アカデミー賞視覚効果賞、音響効果編集賞受賞
    英アカデミー賞視覚効果賞受賞

    メーカー:20世紀フォックス・ホーム・エンターテインメント・ジャパン
    メディア:Blu-ray

注釈3、「ブラジルから来た少年」(監督:フランクリン・J・シャフナー)
      イギリス映画 1978年製作 原題:The Boys from Brazil
      原作:アイラ・レビン

      メーカー:東北新社
      メディア:DVD

注釈4、「惑星ソラリス」(監督:アンドレイ・タルコフスキー)
      ソ連映画 1972年製作 英題:Solaris
      原作:スタニスラフ・レム「ソラリスの陽のもとに」
      カンヌ国際映画祭・審査員特別賞受賞

      メーカー:IVC
      メディア:DVD



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posted by マンハッタン坂本 at 01:15 | Comment(1) | 映画全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
祝 復活(?) おめでとうございます

いきなり大好きな猫と山下達郎で(-^ロ^-)

不思議ですね 先日久しぶりにベスト8階に行って来ました

そしたら ブログ復活!

泊さんは退社されて 吉田さんだけ居られました 寂しいものです

過去ログは まだ制覇していませんが そのうちに・・・

これからも 楽しみにしております

ランキングも ポチっと。
Posted by ココル at 2012年10月01日 03:18
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